21. 久しぶりの日本で感じた事 その2 【コラム:異文化の海を泳ぐ】

さて今回は、先週まで2年ぶりに3週間程家族と過ごした日本で、以前の滞在ではあまり経験しなかった場面に出会う事が多々ありましたのでこれらを交え、異文化と言う観点から取り上げてみたいと思います。東京、箱根、鎌倉、京都といった観光地を訪れましたが、どこでも外国人観光客の多い事、中国、韓国をはじめとするアジア系の人々に加えヨーロッパからの観光客の多さには驚かされました。訪れた観光地では耳にする会話の多くが外国語で日本語はあまり聴こえない程でした。この影響でしょうか、日本文化の特徴である整列乗車を無視して我先に乗車して席取り、といった光景が複数見られました。日本人の間でもまま起きる事ではありますが、今回のケースは外国人観光客によるものでした。この整列乗車自体は日本文化の特徴と言うより、生活の知恵から生まれたものなのでしょう。しかし特に法律化されていないこのルールが良く守られているのは、公共の場で秩序を守り他人を思いやるという日本の文化から出ていると思います。 これは電車内やレストランの席では電話通話や大声で話す事はせず、必要なら電話の会話は外に出て行うというルールと相通ずるものがあると思います。いずれも他人を思いやるといった日本文化の特徴でしょう。日本の電車内が誠に静かな事を外国人は奇異に感じることが多々あるそうですが、これらの習慣は国によって異なるのでしょう。しかし、日本では日本の習慣を尊重して欲しいですね。“郷に入っては郷に從え。” – “When in Rome, do as the Romans do” です。

2つ目はコンビニストアの日米での違いです。 ご承知と思いますが、コンビニストアはアメリカから入ってきたものですが、時と共にその違いがはっきりしてきました。日本のコンビニはアメリカのそれとは違い弁当や食料品等品揃えが多くその味も結構いけるので、私たちも日本滞在時にはコンビニで買ったものをホテルの部屋で食べる事がままあります。アメリカ人の妻もこれを気にいっており、日本のコンビニ派です。

この違いはそれぞれの生い立ちが関係しているように私には見えます。アメリカのコンビニの多くはガソリンスタンドに併設されており車の給油ついでに店に立ち寄るのが殆どで、買い物を主目的に店に寄る訳ではないのに対し、日本では鉄道等の公共機関を中心とした独立店舗で、駅のそばやホテルの脇にあるのが普通で買い物をしに店に立ち寄ります。 コンビニとは英語のConvenience(便利さ)から出ていますが、アメリカでは立ち寄りに便利な立地条件、日本では大抵の品物が身近で手に入る便利さと見る事が出来るのではないでしょうか?

最後にもう一つ、レストランで食事後の余り物の持ち帰りについてです。ここアメリカでは残った食べ物は持ち帰るのがごく普通です。時には持帰りを前提にオーダーを考えたりします。一方日本ではどうでしょうか。私は日本での生活がこちらのそれより長かったのですが、この間持ち帰りなどした事など一度も無く又考えた事もありませんでした。最近の日本滞在時にもこの様な光景は殆ど見ませんでしたから今でも大差ないと思います。では何故このような違いがあるのでしょうか。あちこち探してみましたが明確な答えが見つからなかったので私なりに考えた事を述べる事にします。まず日本の習慣ですが、出された食事は残さない、それが作った人への感謝の念を示すためのものではなかったかと思います。一方アメリカでは、食べきれない食事は持ち帰る事で感謝の念を示していうのではないでしょうか。最も食事の量が多すぎるのも理由の一つかも知れませんが。只どちらも食物の提供者へ敬意を表す事は共通ですが、方法が異なるのだけかもしれませんね。以上私見を述べましたが、どなたか明確な理由をご存知でしたら是非教えて下さい。

ではこの辺で筆をおく事とし、次回又お目にかかりましょう。

* この記事はデトロイト日本商工会の会報「Views」に2024年11月に掲載されたものです。

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